4月17日 千代田区役所にて「景観まちづくり審議会」が開催され、
愛する会からは7人が傍聴しました。


議題は
(1)千代田区景観形成マスタープランの見直しについて
(2)景観まちづくり重要物件について


このうち(2)で文化学院より申請のあった、「文化学院の重要物件指定解除について」が議題に上がりました。
2時間半の審議会のうち文化学院の議論は75分にもわたる異例のものでした。


審議会委員のメンバーは各専門分野の大学教授、千代田区議会議員4名、地域住民、公募委員からなります。
会長は西村幸夫 東京大学教授(都市計画)、副会長・進士五十八 東京農業大学学長(景観論)です。


各委員からの意見は保存を望むことは前提であり、行政としてどう関わるかといった、具体的な提言がなされました。
最後にまとめた会長は、審議会の議決案には事業主に対し、拘束力がないことを弱点としてあげながらも、

「文化学院は創設者が僧院のような建物として校舎を設計したと言われている。
 道路に面した壁面とアーチをくぐった中に広がる中庭が、ある種ユートピアのような空間を作り出し、
 建物自身が創設者の描いた理想の学校精神を体現していることが非常に重要。
 新経営者がそのことを理解しているのか疑問なので、審議会の専門家からも直接意見を伝えたい。
 審議会としてはお茶の水の街並みに深く定着している部分をできるだけ残す工夫をするよう、
 強く文化学院側に要望する。」

と、結びました。


今回の議題であった指定解除については、この場で認めることは避け、7月頃に予定されていた
次回の会議日程を繰り上げ、5月にもう一度この件を事業主も交え議論することが提案されました。


傍聴席の「愛する会」にも発言の場が認められ、卒業生が校舎に込める思い、保存への提案、
精査な耐震診断を行い、旧校舎が本当に耐震性能がないと言えるのか再検討して欲しいなどと訴えました。


千代田区建築指導課長から審議会メンバーへの説明で、

「現状は少し解体を待ってもらっている。
 新築計画建物はアーチを設け、イメージ保存に努力が払われているが、景観として必要なのは、
 現在の位置に外壁があること。」

と伝えられました。
これらの意見は千代田区長に報告されます。


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