3月26日
「文化学院を愛する会」より現況のお知らせ

「文化学院を愛する会」が発足して約1年になりますので、この間の経過を略記します。

千代田区経由の学院からの提案<下記*1>を愛する会として受け入れることが、昨年5月19日の全体会で合意されました。
そして、これを踏まえた千代田区の対処<下記*2>については、8月の景観まちづくり審議会での公式報告を確認の上、9月3日のまろにえニュースに掲載したところです。

<*1> 学院からの5月提案:
@ 旧校舎アーチのある部分は、当面 解体せずに残す
A 新築工事期間中に アーチを含む旧校舎の残し方を話し合う
B 解体した部分には、旧窓枠等を利用して、古い校舎のイメージを再現する壁を造り、ツタを這わせる

<*2> 5月末以降 今日に至る、区の公式見解:
@ 今後は 協議を継続、区は文化学院に検討を働きかける
A 少なくともアーチ部は絶対残して欲しいと学院に区は要望
B 景観まちづくり審議会には、保存(方法)について検討結果の報告がなされる
C アーチ部の2・3階部分は、行政としての対応方法等を区も検討
D 審議会の意見を基に区が調整役となり、愛する会との協議の場を作る
E 審議会もアドバイスをする

その後、私たちはこの内容に副って、千代田区を通じて学院に対し、話し合いの働きかけを行いましたが、実現しないまま、工事が進んでいました。

2月23日、山科誠新理事長、設計者坂倉竹之助氏、立花利根副校長と、愛する会事務局との会談を持つことができましたが、学校から新たに示された意向は、6月までに旧校舎を全て解体してしまうという、予想外 かつ 大変不本意なものでした。
一方、今後私たちとの話し合いを継続することは 確認されました。

今回の学院が示した意向は、千代田区が公式文書に記録していること<上記*2>、そして何より私たちが受け入れを合意した提案内容<上記*1>と合致しません。
新校舎の計画案には旧館のイメージを残そうとする設計者の努力が読みとれるものの、街並み・景観をめぐる千代田区の公共的な文化施策への呼応が、学校という公的施設にもかかわらず 現段階では欠落していると思われます。

そこで、3月16日に「文化学院を愛する会」全体会議を開催し、これまでの報告と、皆様との意見交換を行いました。
出席者は卒業生などの文化学院関係者、建築の専門家、都市計画の専門家、編集者、千代田区内で働く方など多岐にわたりました。

話し合いは、午後7時から11時まで4時間におよび、さらにメールやFAXなどで、議論を補足していくことになりました。

会議では、解体からはずされた、アーチを含む旧校舎を保存活用することを文化学院に強く要望していくことが、確認されました。
卒業生から「文化学院で学んだもの達が集える場所となり、文化学院の歴史を知ることができ、また作品を展示するギャラリーとして活用されていくことによって、卒業生や関係者の心のよりどころになり、これからの学院に参加していくことが大事だ」という意見が出され、皆が同意しました。新しい建物にイメージを残すだけでは、果たすことができないという共通認識、そして世代を超えてアーチに寄せられている思いの深さが、確認されました。
また、専門家からは、「文化学院の旧校舎は町の風景となっている。どうしたら残るかの知恵を出しあい、専門家として協力していく」という提示がありました。

以上が全体会議のごく要点ですが、石川雅巳千代田区長も3月10日の区政報告会で、議員からの質問に答え、「千代田区がテーブルを用意したのだから、今後も文化学院と愛する会の調整を行っていく用意がある」と発言されています。

以下、9月3日のまろにえニュースから再録しておきます。
〜 8月3日「千代田区景観まちづくり審議会」が開催されました。その中で、木下建築指導課長より、文化学院旧校舎のその後の経過が以下のように報告されました。
『審議会での強い要望を踏まえて、調整を行った結果、旧校舎のアーチ部分(3階まで)を残して解体を行うことと、通り沿いの壁面を再生することで、文化学院と愛する会との間で合意に至りました。
このことについて、景観まちづくり審議会の西村会長、進士副会長とも協議した結果、今回の提案は区としても評価できるものと判断し、千代田区景観まちづくり重要物件の指定を解除することにいたしました。
今後は、新校舎の工事期間中である約一年半をかけて、協議を継続していくことになります。
区は、今後もアーチ部分の保存方法などについて、文化学院と愛する会との調整を行っていく予定です。』
まだ、話し合いは始まっていませんが、随時報告いたしますので、よろしくお願い致します。〜



    













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